貴重なテレビの映画枠「午後ロー」
地上波映画枠最後の砦であるテレビ東京で午後の昼下がりに放送されている「午後のロードショー」。
関東ローカル枠なので他の地方の方はご存じない人が多いかもしれませんが、関東圏で月ー金曜日の13:35 – 15:40(2021年4月1日よりは13時40分スタートに変更)で放送されている映画放送枠である。
その午後ローが2021年1月22日に放送5000回、そして2021年4月1日で1996年4月1日の番組スタートから25周年を迎えた。
以前は「日曜洋画劇場」「月曜ロードショー」「水曜ロードショー」「木曜洋画劇場」「金曜ロードショー」「ゴールデン洋画劇場」等、1週間に何日も映画枠が存在したわけだが現在では「金曜ロードショー」と「午後のロードショー」のみ(「サタシネ」、「映画天国」(映画天国は2021年3月でレギュラー放送終了)という映画枠がありますが深夜枠なので別扱いとさせていただきます)。
私が小学生の頃は映画の配信サービスどころかレンタルビデオすら存在せず、唯一映画が観られる場所がテレビのロードショーでした。テレビで映画が放送される日は朝からウキウキしていたものです!
現在は「Amazonプライム」や「Netflix」等、配信サービスも充実し「いつでも好きな時に好きなところで」映画が観られるようになりテレビのロードショーの存在意義が無くなってきた感は否めない。
魅力①趣向を凝らしてくれる「〇〇特集」
まさに風前の灯であるテレビの映画枠だが、今回「午後のロードショー」が25周年を迎えるにあたり2021年4月15日から4月末日まで「超豪華!春のおうちで映画祭り!」を開催、ステイホームで映画を楽しめる超豪華ランナップとなっている。
今回の25周年記念の4月の特集も「月曜はハリソン・フォード」「3月の水曜はエクスペンダブルズ」「4月の水曜は96時間シリーズ」「3月の木曜はニコラス・ケイジ」「4月の木曜はアンジェリーナ・ジョリー」「金曜は地上波初放送!」と曜日ごとに様々な特集を組んでいるが、「〇曜日は〇〇」などの違ったカテゴリーの特集を組んでくれることでマンネリ化を防ぎ飽きることもないのである。
また、ジャンルが偏ることなく人気作、話題作から問題作、日本未公開のB級作品まで放送してくれるラインナップの豊富さも魅力の一つだ。
私なんかは「今度は何特集があるんだ?」と毎月楽しみにしているくらいだ(笑)
ここで過去に放送された特集を抜粋してみた。
●月曜セガール劇場!
「沈黙の要塞」「沈黙の聖戦」
●火曜日はアクションレジェンド
「レッドブル」「16ブロック」「ロックアップ」「マキシマム・リスク」
●水曜は特選サスペンス
「身代金」「羊たちの沈黙」「ハンニバル」
●木曜は4週連続!ジェイソン・ステイサム
「メカニック:ワールドミッション」「トランスポーター」「トランスポーター2」「トランスポーター3」
●金曜は豪華アクションスター5週連続!ブルース・ウィリス
「スリーリバース」「RED/レッド」「REDリターンズ」「ダイハード2」「ダイハード3」
●巨大生物パニック
トレマーズ、トレマーズ2
●木曜はクリント・イーストウッド
「ガントレット」「アウトロー」「タイトロープ」
●特選!日本映画!磯田道史原作
「武士の家計簿」「殿!利息でござる」
等々過去にはまだまだ書ききれないくらいの特集がある。
また、午後ローといえば忘れてはならない特集として「木曜日はサメ!」などサメの映画の特集が多い。
スピルバーグの「ジョーズ」や「ディープブルー」のようなメジャー作ばかりでなく「シャークネード」「シャークトパス」「メガシャーク vs ジャイアントオクトパス」等々劇場未公開、ビデオスルー作品のようなものも数多く放送している。
なんでこんなにサメやるのか・・・午後ローの夏目プロデューサー曰く「モンスターパニックものを適当な感覚で入れるようになったら数字がよくなってきた」とのことだが、「どこから探してきたコレ?」とツッコミ入れたくなるのは私だけではないのでは?(笑)
魅力②午後ローは癒しの場
私の思う午後ローの最大の利点は「よし、今から映画を観るぞ!」と力むことなく午後のひとときなんとなくテレビで映画を流し見できるところだろうか。しかも無料だし、毎日毎日見たことない映画も多数やってくれるし。
過去に何度も見たことある映画なのに午後ローでやっていると不思議と観ちゃうんですよね~「午後ローマジック」ですよ(笑)やっぱりお金出して観る映画は「観なきゃいけない」というのがあるからリラックスできないんですよね。
だから午後ローのダラダラまったりしながら観る適当感がすごくいい!
大好きな映画が生活の一部として存在してくれるってのは映画ファンにとっては最大の幸せですね。
しかも前述のサメ特集ではないが「こんなのどっから探してきた?」「こんな映画お金出してまで絶対観ない」「B級通り越しててレンタルでもなかなか置いてない」「自分の趣味ではないのでテレビで偶然見ない限り絶対観ることがない」等々、自分が観ることはないであろう映画を観る機会を与えてくれる貴重な場なのだ。
魅力③吹替好きには貴重な午後ロー
私は映画といえば吹替派。
本当の俳優の声を聞きたいという本物志向な人の気持ちもわかるが、私は文字を追っかけることでストーリーや映像美、演技を集中して観れないうえ、文字を追っかけることで肝心の場面を見逃す恐れがあるので吹替えが好きなんですが、それよりなにより吹替えされる声優さんの表現力の素晴らしさが一番の魅力です。
例えばジム・キャリーの「マスク」。
作品自体面白い内容なのだが、山寺宏一さんによるジムキャリーの吹替えはホント秀逸!
ジム・キャリーの演技の面白さと山寺宏一さんの吹替えの面白さが相乗効果となりさらに作品が面白くなるのだ。
だが昨今テレビ放送時に吹替えがあったにも関わらずソフト化される際に日本語吹替えが入ってない場合が多かったりする。しかも吹替えが入っていたとしても昔テレビで観たときと違う声優が吹替えてる場合も多々あり観ていても違和感しか感じない。
そんな今だからこそメジャー作からZ級映画まで吹替えで放送してくれる午後ローは吹替えファンには貴重な存在である。やっぱり「この俳優はこの声優」ってのがインプットされているので違う人に変わると馴染めないですね。声優違うだけで面白さ半減します。
やっぱり午後ローが大好き
地上波の映画枠「最後の砦」となっている午後のロードショー。
夏目プロデューサーは「地上波の映画枠が無くなると、映画離れが進んでしまうかもしれない」、
高柴ディレクターは「観たことがない映画に出会える喜びを感じて欲しい」と語っている。
現在は配信サービスでいつでもどこでも好きな映画が観れるわけだが、裏を返せば「好きな映画しか観ない」「興味のない作品は絶対観ない」ということになる。
しかし「初め敬遠していた作品だが観てみたらすごい面白かった」という経験をした人は多いのではないだろうか?食わず嫌いでせっかくの良作を見逃している人は非常に多いと思う。
前述していますが、テレビの映画番組は「知らない作品に触れられるきっかけ」を与えてくれる場であり、色んな作品を観ることでさらに映画の魅力に気がつくことも多々あり、映画への理解にも奥行を与えることになるのだ。
こんな様々な魅力の詰まった「午後のロードショー」を私は愛しています!大好きです!
映画を愛する一視聴者として今後も見続けたいと思っています。