George Michael(ジョージ・マイケル、元ワム!)「Jesus To A Child」(ジーザス・トゥ・ア・チャイルド)~亡き恋人への哀悼歌

 「Jesus To A Child」について

3rdアルバム「Older」からの1stシングル「Jesus To A Child」。

全英シングルチャート 1位

全米シングルチャート 7位

SME(ソニーミュージック)との泥沼裁判劇で長年曲を出せなかったジョージの復活の1曲でもあった。

聴いていると思わず息をのむほどの重厚かつ崇高なメロディと悲しみに満ちた歌詞、そしてあのジョージの透き通るようなエンジェルボイス。

まさに「ジーザス!」と叫びたくなるような珠玉のラブバラードだ。

この楽曲は亡くなった恋人アンセルモ・フィレッパへの哀悼を込めて作られた楽曲である。アンセルモ・フィレッパとは1991年にブラジルで開催された「ロック・イン・リオ」に参加した際に出会い交際をスタートさせる。

「僕の人生が変わった瞬間だった。この先ずっと愛していける人に出会えたと思ったんだ」と語るくらいのアンセルモとの運命の出会いであったが、この「人生最高の時」は長くは続かず、1993年にアンセルモ・フィレッパがエイズによる合併症(脳出血)で死亡することで終わりを迎える。

アンセルモからHIV検査を受けなくてはならないと告白されたときのことをジョージは

「僕は空を見上げて“こんなひどいことがあるなんて”と言ったんだ。僕は家族の元で、愛する人や自分が病気に感染しているいるのかって考えながら過ごした。あれはたぶん僕の人生で一番孤独だった時期だろう」

と語っている。

悲しみからの復活

アンセルモが亡くなってから2年あまり、その悲しみから音楽活動をする気力が失せてしまったジョージに対して、友人のエルトン・ジョンが「才能の無駄遣い」と苦言を呈している。

そんなジョージが復活の1曲目で発表したのがこの「Jesus To A Child」である。亡くなったアンセルモ・フィレッパを想って歌った楽曲なだけに、ジョージを再び音楽の世界へ引き戻したのもアンセルモということになる。

心が洗われる、心が浄化される、そんな表現がピッタリな珠玉のラブバラードである。